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GクラスはNATOの正式軍用車両「ゲレンデヴァーゲン」からスタートしている。だから、スタイルも当然機能本位だし、どこから眺めてもタフ。ほとんど真四角のボディと平面ガラスの組み合わせは、子供が描く自動車みたいだが、迫力と存在感は圧倒的だ。
Gクラスのデビューは1979年。初期のモデルも悪路での強さは感動ものだったが、遅くて、煩くて、高速では真っ直ぐ走らせるのも大変だった。要は戦場仕様からほとんど抜け出せていなかったということである。
だから、実際にタフな4WD車が必要な人や、タフなふりをするのが好きな人……そんな人以外に乗り手はいなかった。
若い頃、私三菱製J3型ジープに乗っていたことがあるが、こちらはモロ戦場仕様。乗り心地は人間が壊れないレベル、静粛性は鼓膜が破れないレベル、といった代物だった。でも、私は耐えた。冬でも幌を外し、フロントスクリーンを倒して走った。涙が出るほど寒くても辛くても、耐えてカッコつけていたのは、なにより私が若かった証だ。
もちろんウェアは本物のミリタリー。ひたすらヘビーで丈夫な戦場着は、上野のアメ屋横町で手に入れたものである。
話をGクラスに戻そう。上記のように初期のGクラスは強者専用車だったが、その後徐々にイメージを変え、今では「セレブ御用達」クラブの有力なメンバーになっている。私の知る限り、Gクラスをもっとも多く見かけるのはLAのロデオドライブ界隈だが、そんな事実が、なにより雄弁に「Gクラスの現在」を物語っている。
基本骨格は30年前と同じで、悪路に出会えば戦場で鍛えた凄みを発揮する。が、しかし、Gクラスを愛するセレブたちは、「NATOの正式軍用車両」という硬派な出自のストーリーに、そして、30年間変わらない姿とスリーポインテッドスターが生み出す孤高のカリスマ性に惹かれているのである。 |